千の風にはならない

煙か土か食い物 (講談社ノベルス)

煙か土か食い物 (講談社ノベルス)

「みんな元気」読んだけど合わなかった。と言ったら「熊の場所」かこれなら面白いんじゃないかと薦められて舞城王太郎2冊目。今度は面白かった。差し挟まれるカタカナ表記の英語、あれなんていうんだろ「マザファッカ」とかそういうの、が若干鬱陶しかったけれど面白かった。丸雄や二郎の凶暴さを触りだけ見せておいて後は煽りに徹したところが恐怖の本質という感じで上手だなあと思っていた。のだけど、著者は女性かもしれない説をネットで目にしたときに、あれは狙って伏せたんじゃなくてその先の想像ができなかったんじゃないかと思った。小便ちびるほどの超暴力。よくこんなこと思いつくもんだという過酷な仕打ち。そういうのって想像するのも結構難しい。単にボリュームの問題だったのかもしれないけれど。なにはともあれ苦手だったピーマンが食べられるようになった俺って大人!みたいな感じの清々しさがある。