喝采の果てに

謡曲、それは昭和に生きた人たちにとってのキラーコンテンツ
かれこれ数年ほどカラオケというものにまったく興味がなくなっていて、勧められたときにはひとまず宗教上の理由で歌うことは適わないとお断りをしているのだけど、そういうものが通用しない場面もあって歌わざるを得ない場合は、ちあきなおみの『喝采』を歌うことにしている。


Vo・G:ちあき(弟) G:なおみ(兄)

というのもこの『喝采』は持ちネタというか、一番はとりあえずてきとうに歌っておいて二番になったときディナーショウのように同行者一同及び脇についてるオンナのコたちと順に握手をしながら回るとなんだか盛り上がるというか割と場がなごむ。このまえ飲みに行ったときも一人一曲は必ず歌え!みたいな変なルールが施行されて歌いながら握手して回ってたら、別のボックス席で飲んでた知らない人たちからも握手を求められたのでいそいそと移動しておっさんとかおねえさんと握手をしたてら歌い終わったときに店中から拍手喝采を受けた。うまいねどうも。

歌い終わってお役御免とばかりに他のおっさんが歌う歌なんかを聞き流しがしながら隣のオンナのコと包丁の使い方なんかについて喋っていたら、一周してきたからもう一曲歌えということになった。時計を見ると、ロシア製の腕時計を見ると、地球の外へ初めて飛び出したシュトルマンスキー社の腕時計を見ると、そろそろセットの時間が終わりそうだったのでなんだかんだ言い逃れをしていたのだけど、とにかく最後に歌えということになったので、歌ったことのない曲を歌えばグズグズになって演奏(強制)終了てことになるんじゃないかと、CKBの『タイガー&ドラゴン』を歌ったところ案外単純なメロディーだったのでうっかり歌えそうだった。選曲間違えた!と途中でおもったのだけどよく見たらバックの映像がPVのまんまだったので微エロ映像に見とれてるうちに最後まで歌いきってしまった。まあいいんだけどべつに。


ケツわしづかみPV(埋め込み無効だそうです)

このときは握手とかしなかったんだけど、さっきの握手が効いたのかまたしても別ボックスの人たちからも拍手を受けたので、おれもしかしてディナーショウでひと稼ぎできるんじゃないか?とかおもった。通路を挟んで真後ろに座ってたおじさんに「あれは誰のなんて曲だ」と尋ねられたので教えてあげたら「ほー、そうか、ありがとな」と言って紙きれにペンでメモをしていた。
会計を済ませてとりあえずその店を出ることになったときに次(の店に)行きましょうと同行者の一人から誘われたので彼の行きつけだというパブスナックへ移動した。店に入ってソファに座るなり彼は顔をこちらに近付けてきて、さっきの後ろ側に座ってた人たちいたじゃないですかと神妙な声でささやくので、これは彼らが音楽プロデューサーとかそういうので真剣に歌謡界にデビュウしちゃうのかなとおもいつつ次の言葉を待っていたら、あの人たちはワイドエリアなバイオレンスチームのメンバーだというので、おれザークヤのナオンとシェイクハンドしちまったよ!とびっくりしたけれども、デビュウの方向的には掠ってたなとおもった。