ビストロ・スカトロ

後学のため食品関係の講習会に行ってきた。休憩時間中に喫煙所で煙草を吸ってる人たちが以外と多くて「この人たち煙草吸ってて味覚おかしくなったりしないのかな」とか棚の上に登りながらおもった。そこに集まってる面子をよくよく見れば実に多種多様でスーツ姿の人もいれば作業着の人もいるし、高そうな皮のジャケットを着てる人や豹柄のおばさん、シャレオツ黒ニットのお兄さん、さっきまで煮物作ってたみたいな格好のお母さんもいた。その人たちがみんなそれぞれに店を持ったり店長なり経営者や技術管理者になるんだろうなとおもったら、あの容姿ならこんな店、みたいなことがフワフワとあたまに浮かんで楽しかった。スーツや作業着の人は食品の加工所だろうし、高そうな皮ジャケットの人はきっと高級クラブみたいな飲み屋だろう、豹柄のおばさんはカラオケスナックで、シャレオツ黒ニットはカフェで、煮物のお母さんは弁当屋みたいな感じ。いかにもラーメン屋(黒いTシャツとか着てるような)をやりそうなお兄ちゃんもいた。長机がズラリと並ぶ講習会場に戻り再開された話を聞きながら、左斜め前方に座る赤茶色の綺麗な髪を後ろで束ねてグレーのスーツを着た女性を後ろから眺めてて、もしあのコがケーキ屋とかをやるんだったらきっとキラキラ輝くようなケーキがショウケースに並ぶんだろうなと思ってたんだけど、次の休憩になったときにトイレの前で正視する格好になり、あ、この人は牛丼屋とかが似合うなと思い直した。で、また喫煙所で煙草を吸いながらいろんな人のいろんな店を想像してたんだけど、逆にみんなから僕はどう見えてるんだろうとおもった。まさか女体盛りのカレー屋を目論んでるとは夢にもおもわなかっただろうな。