魔法使い現るるるる

この講義も第79回を数えるところとなりましたので、そろそろ実践編に入っていきたいと思います。今日は会話の変態的な瞬発力をナイトパブ等で使う実例をやってみたいと思います。キャバクラ、スナック、ナイトパブ等に夜な夜な入り浸っている社会的不適合者の皆さんならご存知かと思いますが、複数名で入店した際にオンナのコにこう訊かれたことがあると思います。

みなさんは、どういうお知り合いなんですか?

会話の糸口として同行者との関係性を問うてくるわけです。主に安い店で、客の数>オンナのコの数という不等式が成立している場合に、1人で複数人とカンバセイションという名のボール回しをする目的がある場合に耳にします。こちらとしては対価を支払って入店しているわけですからそんな死肉に群がるハイエナのような会話はしたくありません。一方店側とすれば、おめえ受付でマンツーマンじゃねえこと知ってて座ってんだろうがよ、という具合に双方の要求は平行線ですから、そこでゴネるのは大人としてマナー違反です。しかし一矢報いたい。あわよくばその場にいる全員から注目されたい。しかも「この人おもしろーい」とか思われちゃったりしちゃったりしちゃいたい。そこで必要なのが会話の変態的な瞬発力です。

いや、歩いてたらたまたまそこで会って

よく聞きます。日に40組の来店がある店だったら38,39組が口にするセリフです。たぶんオンナのコの返事も「あー」とか「ふーん」で、丈夫なロープがあったら軽く吊ってる勢いでしくった感が漂います。もっと変態的に!瞬発力を発揮して!そう思います。そこで是非みなさんにお奨めしたいのが『転・結』のコンビネーションです。時間が勿体無いので『起』と『承』は省きます。

昨夜から張り込んでたんだけど、逃げた犯人を追ってたらこの店に辿り着いたんだ

まあ、ありふれたセリフではありますけれども、これを『結』とします。だって辿り着いちゃってますから。重要なのはこれに接続する『転』の部分です。できるだけ転がしてください。変態的に舌の上で転がしてください。なんなら舌先でチロチロ舐め回してみてください。で、変態的な瞬発力を生かした転がした実例というのはですね・・・
「というわけで、俺は魔法使いなんだが、叶えたい望みはあるか」
「いや、望みっていうか続きを教えてくださいよ」
「そうか。その望み叶えてやらんこともないんだが条件がある」
「じょ、条件とかそういうんじゃなくて・・・」
「その望みを叶えたら、飲み屋に行ったらおまえだけ臭いおしぼりだぞ、一生」
「えー!」
「どうする?願いを叶えるか?」
むずかしいことはよくわかりません。