沖縄料理日記
沖縄料理を食べに行ってきた。でも、沖縄料理がどういうものなのか知らないのでそこで食ったものが果たして本当に沖縄料理だったのか、実は山形料理とか栃木料理だったのかもしれないし、下手するとニジェール料理やトルクメニスタン料理あるいはアンティグア・バーブーダ料理(どこだよ)かどうかもわからないのだけれども、まあ、中条きよしにそっくりな店主が沖縄料理だって言っているのだから、あんまりグダグダとケチをつけると窓辺に飾られた三線の弦をリューっと首に巻かれてキューっと梁から吊るされてしまうかもしれないので、あれは沖縄料理だったということにしておく。オレだって命が惜しいんだよ。
というわけで、耳慣れない料理の名前に唆されていろいろ食ってみた。豚の角煮みたいなやつとか、麸入り玉子焼きの野菜炒めとか、ピーナツ入り?の豆腐だとか。そんで海ぶどうってあるじゃないですか。唐突に口語になってますけれども。茎ワカメにプチプチしたのがついてるあれです。あれって出汁ポン酢なり出汁醤油で食うもんじゃないですかふつう。ふつうっていうかそれでしか食ったことなかったんですけど、注文したらタレが入っているべき小皿にマヨネーズが盛られて出てきたんですよ。へえ、沖縄じゃこうやって食うんだ、やっぱ顔が濃いから(他人のこと言えた顔かよ)味も濃いのかー、と思って食ってみたんですよ。そしたら美味くもなんともないんで「これっていつもポン酢みたいなので食べてたんですけど沖縄じゃマヨネーズなんすか?」って中条きよしに聞いてみたんですよ。お近付きのしるしにみたいな感じで。そしたら、
『ウチの娘がマヨネーズ付けて食ったらうまいって喜んでたから・・・ヘヘヘ』
って少し照れながら、ハニカミながら言うんですよ。決定権は娘かい!って思わず叫びそうになったけれど、きよしの機嫌を損ねて必殺な仕事をされたんじゃたまらないんで海ぶどうごときで犬死したくなかったんで、そこはグッと堪えて二軒目のオンナのコの店で変態トークを繰り広げて溜飲を下げましたとさ。めでたしめでたし。