懇親会日記

金曜日の夕暮れ時に「今週中に」という注文を付けられるっていうのはどれほど弱い立場なのだろう。翌日に遊び呆けるためにその晩に予定していた会議と懇親会をキャンセルして会社に篭って机仕事をした。仕事も一段落して長い手紙を書いていたら携帯に連絡が入った。最後の懇親会ですから!これから三次会ですんで是非合流してくださいよ!などと酔った声で笑っている。時刻は0時。ちったあ常識ってえもんを考えようじゃないか、明日ゴルフだしさー、などと思いつつ「わかりましたすぐ行きます!」と返事をしていた。人との繋がりに於いて『最後』と言われると購えないものがある、という尤もらしい言い訳を自分にしつつ15分後にはオンナノコが隣に座る店でカンパーイ!と言ってグラスを鳴らしていた。委員長はいつも通りベロベロの上機嫌だった。一年間いろいろあったねえなんつって電話をくれた彼とあれこれ話しているうちに、それぞれが隣のオンナノコに向き合うようになり、なにこのピンサロ?みたいな状態になった。緩慢な世間話をしているうちに欠伸が止まらなくなってきたので隣のコに、今までで一番強烈なセックスってどんなだったかと膨らみそうにない話題を振ってみたところ「アナルセックスです」という小さい声が聞こえて俄然目が覚めた。聞くほうも聞くほうだけど言うほうも言うほうだ。
翌日のゴルフは委員長と一緒だったから、2時の閉店と共に解散になるだろうと思っていたのだけれども、へべれけ委員長はオーナーに掛け合って営業時間を1時間延長させていた。この団体で活動してきた一年間を象徴するような夜だった。つか朝だった。帰ったら空が白かった。