墓参り日記

彼岸といえば墓参りなんである。強風吹き荒ぶ中、親父の墓へ参ってきた。墓は寺の隣にあってこういう季節に行くと誰かしらと出会うのだけど、主にお年寄りの方と一緒になると必ずといっていいほど微笑まれる。あれはなんなのだろう。お若いのによく参っておるね的なナニカなのだろうか、それとも僕の容姿が単純におかしいのだろうか。墓石にバシャバシャと手桶から柄杓で汲んだ水を掛けているときに、寒くねえのかなと思ったのだけどべつに墓石は墓石なわけだし、よしんば石の下に水が滴り落ちて壷に水が掛かったとしてもまたその中の骨までは届かないだろうし、そもそも神経がないのだから・・・などと考えていたら、この強風は文字通り風になった人たちがビュンビュン飛んでるってことなのか・・・とかおもった。ここに居ないのにどうして墓に来てんだ?というあたりまで考え始めたときに、やっぱり腹が立った。あの歌は嫌いだ。拠り所がなさすぎる。壷の中に残留思念みたいなものがあって、それと交信するために墓に来るほうが気味悪いかもしれないけれどまだいい。同じ墓地に父方の爺さんと先祖の墓もあるのでそっちにも線香を上げた。なんかやっぱりあの歌のせいでムカムカしながら家に帰った。母方の祖父母が眠る墓にはまた行きそびれた。ごめん。