元気なくなった。疲れた。

ちょっと前にメメント [DVD]という映画があった。ラスト5分前から始まって5分経過すると10分前に戻って5分進んでまた10分戻って、という時間を飛び石で戻りながら事の発端が明らかになっていくという観るのが非常に疲れる映画。最初観たときにずっと「あれ?なんだっけ?」が頭の中で飛び交ってたのだけど、DVDだと時間の流れに沿った再生方法も選べるのでそれで観てやっと顛末が明確になった。脳内クリップボードの容量が試されるような映画だった。

みんな元気。 (新潮文庫)

みんな元気。 (新潮文庫)

別の著書を勧められたのだけど見当たらなかったのでこっちを読んでみた。5つの話が入っているのだけど、とりあえず一番目に収録されてる『みんな元気。』を読み終えたところで平衡感覚を失ったので、そういう症例が他にないかと思いネットでレビューを読むと『ドライブ感』という言葉がよく使われていた。乗り物酔いは小さい頃にフェリーに乗ったときにスクリューの泡をずっと見てて気持ち悪くなったこと以外なく、車酔いなんて一度たりともしたことがないのにドライブで酔うなんて。と、三半規管の弱さに疑いを持ち始めたところで、あのドライブっていうのは車のそれじゃなくて、曲がって落ちる方のドライブであることの容疑を固め任意で事情を聴くとして身柄を拘束。取調べに対しドライブ容疑者は大筋で容疑を認めており拘留期限の延長を申請することとしました。これに対し弁護側は誤認逮捕であると抗議しており、延長か釈放か裁判所の判断に関係者の注目が集まっております。
というような感じで(全然違うけど)話の筋がブッ飛んでいて、そういうのを『ドライブ感』と世間では呼ぶのかもしれないのだけど、疲れるばっかりで話が面白いのかどうかよくわからないというのが正直な感想。「で、なんだっけ?」を繰り返しているうちに話の全体的な流れを見失って、最後まで辿り着いても「で、なんだっけ?」で終わってしまうというか、メメントと同じように脳内のクリップボードがぐちゃぐちゃになりすぎて個人的な引っ掛かる言葉とかシーンとかが流れてゆく話の筋を邪魔するっていうか、そういうのなんて言うの?あたふた喋ってる人の話を聞いてるみたいな感じで要領を得ないのに似てる。このダイアリに似てる。要領を得ないところは。