マヌケが勢揃いして騙し合うお話

1週間レンタルのシールが貼ってあった。カウンターに出したら「ご返却はいかが致しますか」というので「1週間で」と返事としたら『新作なんだけど1週間OK』という意味のわからない扱いのDVDのようで390円では済まされなかった。ふざけんなTSUTAYAめ。だまし討ちじゃないか。がしかし、たかだか何百円のために『やっぱり借りない』と言ったら相当なケチっぽいので借りた。物凄く何百円をケチるための言い訳じみた言い草になるけれど、映画をタイムリーに観なくちゃならんというキモチがこれっぽっちもない。むしろそういう消耗品のような扱いでなければ観るに値しないような映画だったら観なくてもいい。だから映画館にも行かない。値段も高いし。うわ、ケチくせー。

ディパーテッド [UMD]

ディパーテッド [UMD]

なにがどうであれジャック・ニコルソンなのだ。ジャック・ニコルソンといえば「ダーニー!ダニボーイ!」なのだ。世界一斧が似合う男。世界一破れたドアから顔を突き出して笑ってるのが恐い男。もしも自分がジャック・ニコルソンだったら世の中に恐いものなど何もない。というか自分が一番恐い。もしも朝起きて洗面所に行って鏡を見たときに、身体がジャック・ニコルソンになってたらたぶん失禁する。そんで、どうしてそうなってしまったのか状況を考えつつ鏡をチラ見する。そうすると鏡の向こうにいるジャック・ニコルソンも同じタイミングでチラ見してるもんだから、もう死んだふりするしかない。もしオンナのコだったとしても想像してみればそれがどのくらい恐いわかるはず。大好きな彼氏とちちくり合って幸せな気分で知らない間に眠りに落ちて、目が覚めたら彼氏がジャック・ニコルソンになってたとしたら。「おはよう、よく眠れた?」とかジャック・ニコルソンの笑顔で言われたらどうなるか。失禁しつつ悲鳴を上げるはず。そんで死んだふりするだろう。むしろ彼氏が「おは・・・よ・・・」とか絶句して何事かと洗面所に行ってみたら自分がジャック・ニコルソンになってたらたぶん悲鳴を上げる間もなく気絶するだろう。ガタンと大きな音を立ててその場に崩れ落ちた彼女だけれど、彼氏にしてみれば単にジャック・ニコルソンが横たわっているだけなのだから、物音を立てないようにそっと部屋を出るだろう。その時の心拍数は180から200ぐらいで。軽く失禁しつつ。
そのぐらいジャック・ニコルソンは恐いのだけれど、この映画ではラストあたりでちょっとダサかった。とはいえダサいとか言って笑ってると画面から顔を突き出してきて斧で脳天を叩き割られる気がするから気が抜けない。