はらがへったの
最近『いいひと』が鼻についてしょうがない。どこからともなくプーンって飛んできて小鼻にがっしり捕まられる。若しくは牛の鼻輪みたいに鼻腔の仕切りみたなところにプラーンとぶら下がられる。『頭のいいひと』とか『気のいいひと』や『格好いいひと』や『品のいいひと』果ては『なんかいいひと』と接すると騙されてるんじゃないかと腰がひける。こいつは悪者でいいひとぶってるんじゃないかと疑う。だけど自分で自分のことを「俺っていいひとだよー」とか言ってるわけではないので、こっちでいいひとそうだな、いやいやそうでもないぞ、これこれ僻むでない、妬んでねーよ、みたいな葛藤があるだけなのかもしれないし違うかもしれない。どっちかというと魂のレベルで悪い奴の方が恐ろしいし近寄りたくないので、いいひとそうに見えるけど実はそうでもない程度の小悪党のほうがいいことは確か。ただ『どうでもいいひと』だけはどうでもいいのだけどそれは悲しむべきことかもしれない。