電気ポット日記

会社で使ってた電気保温ポットが壊れたっていうか下のほうから水が漏れて、こんなに濡らしていやらしいメスブタめ!ニタリニタリ、という具合になったのでニタリついでにうっかり感電でもしたら危険極まりないということで新しいポットを買ってきた。ここまで一行で済むね。
電気ポットなんて別段珍しい家電でもないけれど、小さい頃は電気を使わないガラス魔法瓶だったし、電気を使って保温ができるタイプのものが世の中に出回り始めた頃でもお湯を出すときには蓋をギューっと押すタイプのものだった。それがいつの間にか指先一つで熱湯がジョボジョボ流れ出るタイプが出現して、従兄弟の家で初めてボタンを押せばお湯が出るポットを使ったときに未来の魔法瓶だ!と思ったほど驚いたことを覚えている。
ガチャガチャ回すテレビからタッチタイプに切り替わったテレビや、テレビリモコンを初めて見たのも従兄弟の家だったし、初めてファミコンに触れたのも、バンゲリングベイの2コンを渡されてワーワー言えって言われて「うんこうんこー」とか叫んだのも従兄弟の家だった。僕にとって従兄弟の家っていうのはそんな魔法の家で、いつだったかおじさんが化粧の濃い知らない女の人を連れて帰ってきて酔って暴れて従兄弟がおでこから血を流して、庇ったおばさんが蹴られたりするダークネスな魔法も発動される家だった。おじさんは魔法でこの街から姿を消した。
話が逸れた。おじさんの無修正ビデオコレクションの話に戻す。違う、そこじゃない電気ポットの話だ。そんなわけで新しい電気保温ポットを買ってきたわけなのだけど、あれのボタンのところなんて見ているようで見てなかったようで『出湯』って書いてあることを初めて知った。壊れたほうのポットにも書いてあったから、たぶん全てのポットにそう書いてあるのだと思う。そんで『出湯』なのだけど、なんて読むのかわからなくてたぶん『いでゆ』とかそんなだろうなと思ったら、なんだか急にポットの中身が温泉みたいだよねって思った。えーと、ただそれだけです。