僕にとってこの世界はわけもなく恐いものなんだ

本日はお日柄もよろしいのでなんとなくダラダラほざいてみようと思います。

小学生の頃(といっても1年生と6年生では脳細胞や身体の発育状況が大きく異なるので「小学生の頃」とひとくくりで語ることに甚大な被害を及ぼす可能性があることは否定できないのだけどここではまるで関係ないので無視)、サチ子ちゃんというネズミみたいなウサギみたいな女の子が同じクラスにいた。サチ子ちゃんは上の前歯2本の発育が非常に活発であるネズミみたいなウサギみたいな女の子で斜視だった。そして虫眼鏡みたいな厚いレンズの入った眼鏡をしていた。そしてサチ子ちゃんの白目のところは少しグレーだった。

当時の僕は世界には僕しかいないと思っていた。ちょっと日本語が不自由な言い回しだけど。つまり自分の知ってることだけで世の中が構築されているというか自分の世界観が世の中の全てに当てはまると思っていたと言いたいんだ。たぶん。

僕はサチ子ちゃんと話をするときになんだか不安な気分になった。だってサチ子ちゃんの顔はこっちを見てるのに目が合わないから。サチ子ちゃんは猛烈な恥しがり屋なのか、それとも僕のことが嫌いなのか、とにかくサチ子ちゃんと話をすると不安になった。そしてあるときサチ子ちゃんに尋ねた。僕のこと見るのが嫌なの?って。自分のことを純真無垢のように言うのは下衆っぽいけど、ときに子供の実直すぎる言葉っていうのは致命傷を負わせるほど残酷だよね。僕らが幸運だったのはサチ子ちゃんも斜視についてよくわかってなくて、嫌じゃないよちゃんと見てるよという返事が返ってきたことだった。

だけど僕らが不幸だったのは僕がその返事に納得しなくて「こっち見てないよ」と告げてしまったことだ。なにしろ僕の知らないことがあるなんて露にも思ってなかったから。サチ子ちゃんは明らかに困惑してしまっていた。そして僕らが手にした不幸中の幸いだったことは僕がバカで一つのことに執着しない鼻タレ小僧で、一瞬でそのことよりも眼鏡の存在に注意を向けたことだった。会話の脈絡なんて関係なく「その眼鏡を取るとどう見えるの?」と言い、サチ子ちゃんは「見えないよ」と言った。そんなバカなーって思った。まぶたを開けてるのに見えないわけないじゃんと思った。それから裸眼で見える風景についてあれこれ話したけれどよくわからなかった。

その会話というか出来事がとても衝撃的で、ひょっとしてあの眼鏡の人が眼鏡を外したら僕の顔は緑色に見えるのかもしれない(けっこう本気)とか思うようになった。そして世界には僕以外の人がいて僕とはいろいろ違うのだということを知るのだった。

そんでなにが書きたかったのか忘れたけどまあいいや。またあした。