タマが痒いスパイ

オトコのコなら一度ならずとも二度三度あるいは三日三晩寝食を忘れて憧れる007なわけですけれども、当然のことながらそれっていうのはMI6の諜報員のことであって、決してつるッパゲサイボーグ変身おやじのことでは断じてない。ちょっといいかなとか思うけどもしもサイボーグなら004だよね的に否定する。そんで彼の何にそれほどまでに憧れるのかといえば、喧嘩が強いとか凄い武器や道具持ってるとか超高性能な車に乗ってるとか勝手に人殺しても咎められないとか、やたらモテまくるとかちょっと口説けば落ちるとかパーティー会場ですれ違いざまに目が合っただけなのにほら!ほら!もう目で追われてるもうお腹の奥がジーンとかなってる!と、そういうのが全部揃っているところなんだと思う。007が軽自動車やラッタッタではどうにもならんよね。

物凄くよかった。僕たちが007に憧れる理由の全てを兼ね備えたジェームス・ボンドさんだった。ストイックで屈強で知的でモテモテでちょっとマヌケだった。そしてアストンマーチンだった。ただ走り方がちょっと変だった。でもきっと理屈に適った走り方なんだろう。そんなことはどうでもいいくらい格好良くて面白い映画だった。惜しむらくは暗がりで悪い奴と闘ってるときに、どっちが悪者なのか見分けがつきにくいことだった。ふつうに人相が悪いし。