新しき日本のバーガーの道と光
バーガーキングがもっかい出店したそうですね。全然知りませんでした。なにしろヒンドゥー教においては牛はシバ神の乗り物で神聖な動物ですから牛肉ハンバーグなどとても食べられません。うちは仏教ですけど。そんで場所が前回痛い目に遭ってる場所よりも駅から遠いそうですね。きっと、西口改札からあそこまで歩く間に空腹感を生むのでこのサイズのバーガーがマッチしますよ的な提案を口先だけで食ってるインチキ霊媒師みたいなコンサル連中が言ってんでしょどうせ。実際全然違う理由なんでしょどうせ。そんで撤退前のバーガーキングで食ったときは、でかい、高い、さして旨くもない、という三拍子が揃ってしまったベンチ外スレスレの長身フォワードみたいな印象だったのでありきたりな戦略(テリヤキなんてのはヒネリもへったくれもないじゃんよ)で出店して事業拡張を試みたのではまたしても撤退を余儀なくされること間違いないに限りなく近いどうせ。それも違うんだろうけどどうせ。そんなわけで成功のシナリオを作ってみた。刮目せよ。つってもしないんでしょどうせ。
まず出店するなら白金台。これ絶対。テッパン。最初家賃がきついけど後で効いてくるから。そんでオープン記念セールっぽい雰囲気で営業開始から1週間はワッパーを100円で出す。平日の16:30〜17:30限定で。この時間帯にバーガー食うのは育ち盛りの学生さんだからモリモリ2つも3つも食べる。勢い余って食いすぎて吐き気がする。だいじょうぶマイフレンド、これも作戦のうちだよ。たちまちのうちに校内で噂になるわけ。「マジでかくね?」「マジすげくね?」静かな水面に波紋が広がるように学校の枠を飛び越え都内の大食漢たちの間でどんだけ食えるか抗争が勃発。頃合を見計らって店頭に挑戦的な弾幕を出す。『マジすげワッパー』。もうここで半分勝ったも同然。あとはに言葉が簡略化されるのを待つだけ。『マげワッパ』って。そうなると九分九厘成功を収めたと言っても過言ではない。『マげワッパ』が巷に浸透した頃合を見計らって店を純和風に改装。新装オープンしたらワッパーを2合おひつのまげわっぱに詰めて1個10万円ぐらいで売ればいい。日本の伝統工芸とアメリカの大衆食文化のコラボレーションとか言って。秋田杉の器には牛肉の発ガン性物質を除去する効果があるとか適当なことをネットで流せばミッションコンプリート。間違ってもテレビでやっちゃだめ。
あとは鼻でもほじってりゃレオなんとかやニキなんとかっていう拝金主義っぽい雑誌なんかが勝手に取材に来るから「セレブ御用達」の文字が紙面に躍ったのを確認して、それっぽい葉っぱでも挟んだ普通のワッパーを蓋のところになまはげの彫り物したおひつに入れて『プレミアムマげワッパ』とか言って1個100万円で1日限定10食ってな具合で売り出せばいい。あとは放っておいても選民意識バリバリな金持ちばっかりが来るようになる。そしたらもう定番コースでVIPルームとかゴールド会員とかわけのわかんないステータスくっ付けてケツの毛一本残さない勢いで金をむしり取ればいいよ。問題は秋田でまげわっぱ作ってる職人さんたちがどんだけ長生きするかってことではなくて、ただ『まげわっぱ』って言いたかっただけなのに、なんでこんなに長くなるんだってことだよ。暑いからなんだけどさ。