どこでもキャバー(声:大山のぶ代)

ちょっとした手違いを訂正するために取引先の会社へ出向いた。受付の女性に用件を告げると椅子に掛けてお待ちくださいと言われ、言われるがままにキャンティレバーで革張りの椅子に腰掛けて待っているとパタパタと足音を響かせて経理の女性が現れた。もういっぺん用件を説明すると小首を傾げてうちの部署じゃないようですねと言う。そして、確かめてきますと言い残しまたパタパタと奥の方へ引っ込んでいった。すると受付の女性が目の前の椅子に座り用件の詳細を確認してきたので詳しく説明した。ほどなくしてまたパタパタと経理の女性がやってきて受付の女性と入れ替わり同じようなことを聞いてきた。なんだか針の飛んだレコードのように同じ話を何度もしていたのだけど、二人の女性は終始にこやかで腰掛けるときちょっと斜に座ったりなんかしてうっかり焼酎の水割りとか作ってくれそうな雰囲気だったので案外楽しかったりした。