魔物を見たよ

先週の金曜日に京都の山崎ってところに行ってきた。目的地は妙喜庵の『待庵』。千利休が作ったという話の最も信憑性が高い現存する最古の茶室であり、国宝となっている3つの茶室のうちの1つ。史実は僕のようなボンクラの説明よりもwikipediaとか読んだ方が早い。
当日は晴天に恵まれ日頃の行いのよさをひしひしと実感しつつ西へ向かったのだけれども、名神高速が春日井ICから吹田ICまで集中工事を行っており、ほとんどの区間で1車線規制がかかっていて全然スピードが出せなかったものだから、見学予約の時間に間に合いそうになくて同行者一同嫌な汗をかきながら京都へと向かった。というのもこの待庵を見学するには1ヶ月前から予約*1せねばならず、見学の時間も1時間とかに限られていて遅刻厳禁なのだ。
急ごうにも急げない状況下で素呑気に「ぼくおしっこ」などとはとても言えず、己の膀胱の器量をひたすら信じるしかない時間が続いた。やがて京滋バイパスに入り遅れを取り戻すべく車は疾走するのだけど、その間も僕の小便は膀胱の中を疾走し続けた。山崎ICを下りて一般道を3kmほど進むと山崎駅っていうのがあって、その目の前に妙喜庵がボヨーンと風情もヘッタクレもない感じで建っていた。到着時刻は11:30。どうにか30分間見学できることとなった。
駆け込み寺とはよく言ったものだと膀胱が爆発しそうだった僕は車を降りるやアズスーンナズ妙な内股で寺へ駆け込むところだったけれど、駅の隣に公衆便所があるのを見て取るやアズスーンナズそこに駆け込み小宇宙を爆発させた。永遠に続くのではないかと錯覚するほどに長い長い放尿だった。そういえば子供の頃に連れてきてもらった京都のナントカ寺でも長い長い小便をしたことを不意に思い出した。きっと京都人は膀胱がばかでかいに違いない。
寺のお婆さんに注意事項なんかを聞いて、いよいよ待庵とご対面。とそこでホッとしたせいか急に便意が、大きいほうの便意が、それも恐ろしい勢いで目の前がチカチカするぐらいのビッグウエーブが襲ってきた。待庵の2畳の中で千利休豊臣秀吉と対峙したそうだけど、僕も戦国武将並みの便意と抜き差しならない状態で対峙していた。侘び寂びだった。栓の危急だった。
というわけで、うんこ我慢してたこと以外はよくおぼえてない。
*2

*1:希望日を3つぐらい伝えて指定された日時に伺うという負け犬気分が存分に味わえる予約方法

*2:待庵は写真撮影不可なのでいい子の僕は写真撮らなかったよ